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もしものときにあわてないよう、「SMCリセット」について知っておこう

 Macユーザーなら、「SMCリセット」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。だとしても、それはどちらかと言うと他人事で、自分とは無関係だと思っている人が多いのではないだろうか。実は私もその一人だった。

 しかし、それが必要になる日は突然やってきた。Mac miniの4つあるThunderboltUSB-C)ポートの1つが、突然使えなくなったのだ。もしSMCリセットに考えが及ばなければ、ハードウェアの故障としか考えられず、修理に出そうかという状況になっていたかもしれない。それもSMCリセットで、あっさり直った。最近の新しいモデルでは、SMCリセットの方法も、以前のモデルとは異なったものとなっている。

 そこで今回、SMCリセットの意味と方法を、改めて理解しておいていただくために記事として書き留めておくことにした。今は関係なくとも、いつ必要になるかわからない。その日のために、頭の片隅にでも入れておいていただければと思う。

そもそもSMCって何?

 SMCリセットの前に「そもそもSMCとは何か」ということについて、簡単に説明しておこう。SMCは「System Management Controller」の頭文字をとった略語だ。日本語にすれば、「システムを管理するためのコントローラー」ということになる。このコントローラーは、Intel製のプロセッサーを搭載したMacが装備するもので、Macハードウェアの中でも、主に電源周りを管理する役割を担っている。

 ひとくちに電源周りと言っても、いろいろある。SMCが担当する範囲は、本体の電源のオンオフ、ノートブック型のMacの場合にはバッテリーの充電や残量の管理、空冷ファンなどの放熱、各種インジケータランプキーボードバックライト、環境光や緊急モーションなどのセンサー類、ノートブックの蓋を開け閉めした際の動作など、幅広い。

 そしてもう1つ重要で今回私が体験した事例と関係が深いのが、ThunderboltUSBポートへの電源供給の管理だ。つまりMac本体だけでなく、インターフェースを通して接続した周辺機器の電源も管理している。

SMCをリセットするとは?

 SMCの動作に不具合が生じると、上に上げたような部分に不具合が生じることになる。SMCが不具合を起こすと言っても、SMC自体が故障してしまうわけではない。そういうこともないとは言えないとしても、非常に稀だろう。多くの場合は、どこかのパラメーターの設定がおかしくなって、望まれていない動作になってしまったり、おそらく一番多いのは、異常を感知して電源の供給をストップしてしまうといったことだろう。

 もし、何かしら異常な状態になったとき、想定外の電流が流れば、本当に内蔵のチップや外付けの機器が故障してしまうことになりかねない。そこで電流をシャットダウンする。逆に空冷ファンの調整がおかしくなった場合は、それを止めてしまうと、CPUやその他のチップを熱によって損傷してしまうことになる。そこで空冷ファンの場合には、調整できなくなったら最高速度で回し続けるようにする。いずれにせよ、何らかの異常事態を検出すると、できるだけ安全側に倒れるようにしているわけだ。

 しかし、それをそのままで使い続けるわけにもいかない。Macの動作が、所定のものから外れてしまうし、周辺機器が使えなくなったりもするからだ。そこで、SMCを「リセット」することで、異常状態をクリアして元に戻すという手段が用意されている。

今回は「セキュリティアップデート」で発生

 上で述べたように、今回私が経験した症状は、Mac miniの4つあるThunderboltUSB-C)ポートの1つが、突然使えなくなったというものだった。これは何のきっかけもなく、ある日唐突に使えなくなったわけではない。はっきりとしたきっかけがあった。だからこそ、単なるハードウェアの故障ではないのでは、と思ったわけだ。

 しかし、きっかけはあっても、その直後に気付くとは限らない。今回は、たまたま普段使っているポートが死んだことで、すぐに気付くことができたので、むしろラッキーだったとも言える。もし普段使っていないポートだったら、しばらく気付かずにいて、気付いたときにはきっかけも原因も分からなくなっている可能性が高い。

 話が横道にそれかかったが、今回のきっかけは、Macを使っていると、ときどきシステム環境設定に促される「セキュリティアップデート」だった。このセキュリティアップデートに関しては、気付いたら、なるべく早く適用するようにしている。本来、これを適用したことによって不具合が発生するようなことはあってはならず、実際めったにないことなのだが、今回はたまたま発生してしまった。

 私は、Mac miniに一般的なUSBキーボードUSBマウスを接続して使っている。Mac miniには、4つのThunderbolt 3ポートに加えてUSB 3ポートが2つあるが、キーボードマウスは、直接USB 3ポートにはつないでいない。USB 3ポートは、iPhoneなど、充電のために大電流を取り出す必要があるUSB機器用にキープしてある。そこでキーボードマウスは、USB-Cのハブを介してThunderbolt 3ポートに接続している。

 今回は、たまたまそのキーボードマウス用のハブを接続したThunderbolt 3ポートが死んだので、セキュリティアップデート後に、嫌でも気付くことになったというわけだ。

 macOSでは、アップルメニューから「このMacについて...」を選び、「システムレポート...」ボタンクリックすると、ハードウェア構成の概要を知ることができる。ここで、「USB」を選べば、Thunderbolt 3のUSBポートとしての使用状況を表示する。

 上の図の状態では、1つの「USB 3.1バス」に「USB 2.0 Hub」を介して、キーボードマウスが接続されていることが確認できる。SMCの不具合発生時には、これが、ちょうど上の図のいちばん下の「USB 3.1バス」のように、何も接続されていないという表示になってしまった。

T2セキュリティチップ搭載機種のSMCリセット方法

 そこで「SMCリセット」の出番となるわけだが、現在のMacでは、まず「T2セキュリティチップ」を搭載しているかどうかで、SMCリセットの方法が異なる。このT2チップは、Macセキュリティに関する機能を司るものだが、実はSMC自体も、今ではこのT2チップの中に組み込まれているのだ。

 そして現行のMacのほとんどは、すでにT2チップを搭載している。現行モデルで搭載していないMacは、ProのつかないiMacくらいのものだろう。言い換えれば、以下に挙げるモデルは、すべてT2チップを搭載している。

iMac Pro
Mac Pro (2019年に発売されたモデル)
Mac mini (2018年以降に発売されたモデル)
MacBook Air (2018年以降に発売されたモデル)
MacBook Pro (2018年以降に発売されたモデル)

T2チップ搭載ノートブックの場合

 T2チップを搭載したMacでも、ノートブックデスクトップでは、SMCリセットの手順が異なる。まずノートブックの場合、どうやらSMCリセットと言っても2つのレベルがあるようだ。正確には、2レベルめが本当のSMCリセットで、1レベルめは、その予備的な操作かもしれない。しかしレベル1の予備的な操作で問題が解決すれば、それ以上の操作は必要ない。

 T2チップを搭載したノートブックで、まずやってみるべき手順は以下の通りだ。

1. Macを通常通りの手順でシステム終了する
2. 電源ボタンを10秒間押してから放す
3. 数秒待ってから電源ボタンを押してMacの電源を入れる

 この場合の「電源ボタン」というのは、キーボードの右上角のTouch IDボタンのこと。
 これで症状が改善しなければ、レベル2の本当のSMCリセット手順を実行する。

1. Macシステム終了する
2. 内蔵キーボードの「control」+「option」+「shift 」キーを7秒間押し続ける
3. 3つのキーを押したまま、さらに電源ボタンも押して7秒待ち、その後全部のキーとボタンから指を放す
4. 数秒待ってから電源ボタンを押してMacの電源を入れる

T2チップ搭載デスクトップの場合

 次にT2チップを搭載したデスクトップの場合は、SMCリセットの手順は簡単だ。

1. Macシステム終了してから電源コードを外す
2. 15秒待ってから電源コードを接続し直す
3. 5秒待ってから電源ボタンを押してMac の電源を入れる

 T2チップを搭載したMacの場合、以上のいずれかの手順でSMCリセットができるはずだ。もし、これでも症状が改善しなければ、ハードウェアの故障を疑う必要があるだろう。

T2チップを搭載しない機種のSMCリセット方法

 T2チップを搭載しないMacの場合には、以下の3種類に分類できるMacモデルによって手順は異なってくる。

バッテリーを取り外せないノートブックの場合
バッテリーを取外し可能なノートブックの場合
デスクトップの場合

バッテリーを取り外せないノートブックの場合

 T2チップを搭載せず、バッテリーを取り外せないノートブックのSMCリセットの手順は、T2チップを搭載したノートブックレベル2の手順とほとんど同じだが、微妙な違いもあるので注意しよう。

1. Macシステム終了する
2. 内蔵キーボードの「control」+「option」+「shift 」キーを同時に押す
3. 3つのキーを押したまま、さらに電源ボタンも押して10秒待ってから、全部のキーとボタンから指を放す
4. 電源ボタンを押してMacの電源を入れる

バッテリーを取外し可能なノートブックの場合

 バッテリーを取外し可能なノートブックには、2009年前期以前に発売されたMacBookシリーズのすべてのモデルが該当する。作業のポイントは、バッテリーを外した状態で電源ボタンを押すこと。

>1. Macシステム終了する
2. 内蔵バッテリーを取り外す
3. 電源ボタンを5秒間長押しする
4. 内蔵バッテリーを再び取り付ける
5. 電源ボタンを押してMacの電源を入れる

デスクトップの場合

 T2チップを搭載しないデスクトップのSMCリセット手順は、実はT2チップを搭載するデスクトップの場合と同一だ。つまり、デスクトップでは、T2チップを搭載するかどうかに関わらず、手順は同じということになる。

1. Macシステム終了してから電源コードを外す
2. 15秒待ってから電源コードを接続し直す
3. 5秒待ってから電源ボタンを押してMac の電源を入れる

 バッテリーを取り外し可能な旧タイプMacBookの場合には、バッテリの取り外しと取り付けという手間がかかるが、それを除けばSMCリセットの手順はさほど面倒ではない。記事の冒頭で挙げたような、Macの電源周りのトラブルに見舞われたら、とりあえずSMCリセットを試してみて損はないだろう。

 
Macに原因不明の不具合が起きたら「SMCリセット」のやり方


(出典 news.nicovideo.jp)

Macに原因不明の不具合が起きたら「SMCリセット」のやり方

この方法覚えとかないと!
最近うちのMacはご機嫌斜めです!
なにせ私がテレワークで酷使するから笑





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