接客中にパンツ脱ぐ客も……ハプニングもあるが人気の「Zoomキャバクラ」 


接客中にパンツ脱ぐ客も……ハプニングもあるが人気の「Zoomキャバクラ」 店主と嬢の波乱の自粛期間これ怖いですね!笑笑

 「若い男性客とZoomで話していたら、突然ズボンパンツを脱いで、そのあと1人で……。怖いというより思わず笑っちゃいました。速攻で退出して、運営に“出禁”にしてもらいました」――Web会議ツールZoom」を使ってリモート接客するキャバクラ「ズムキャバ」で働くMayu(まゆ)さんは笑ってこう話す。

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 ズムキャバは、客が女性とPC画面越しに向き合ってトークを楽しめる“リモートキャバクラサービスだ。4月中旬のスタート以来、新型コロナウイルスの影響で外出できず話し相手がほしい人などの人気を得て、多い時は1日に約50人が利用しているという。

 ズムキャバと、系列店の「ズムキャバラグジュアリー」には、5月末現在で合計約100人のリモートキャバ嬢が所属。オンラインならではのハプニングもまれに起きるが、彼女たちは画面越しの客を日々もてなしながら生活費を稼ぎ、実店舗で働けない中で新型コロナ禍を乗り切っている。

●指名した女の子が、画面越しにドレス姿で待っている

 一般的なキャバクラと異なり、ズムキャバは前払い制だ。利用するにはWebサイトからズムキャバ公式LINEアカウントを友だち登録し、話したい女性と希望時間を連絡。担当の女性が決まり、料金を事前に支払うと、LINEZoomミーティングのURLが届く。あとは時間通りにアクセスすれば、指名した女の子が画面越しにドレス姿で待っている。

 女の子は実店舗をイメージした壁紙をバーチャル背景に使っていて、お店で接客を受けている気分を味わえる。盛り上がってきたら、クリック1つで女の子シャンパンをおごれる機能も。スタッフがあらかじめ女性の自宅にシャンパンボトルを送ってあり、客がお金を支払った場合に開栓できるようになっている。

 実際にドレス姿の女の子と話してみると、画面越しとはいえ気分が上がる。中には盛り上がりすぎてしまう客もいるようだ。「触れないなりに工夫してくるお客さんもいます。画面越しに『肩ひも下ろして』『ブラジャー取って』と言ってきたり……。キャバクラあるあるなので流していますが」とラグジュアリーで働く楓(かえで)さんは涼しい顔で話す。

 1時間当たりの料金は、ズムキャバが4000円、ラグジュアリーが6000円。指名料はともに2000円シャンパン代はともに6000円(価格は全て税別)だ。

 指名を受けた場合、女性の時給は4000円(ズムキャバ)または6000円(ラグジュアリー)。シャンパンが追加されると3000円のインセンティブが入り、中には1時間で1万円以上を稼ぐ人もいるという。

オーナーが案をツイートしたら、店ができる前に“バズった”

 両店舗を立ち上げたのは、本業は別にあるというAさんだ。Aさん新型コロナの影響で稼ぎが落ち込み、別の収入を得る手段を考えていたところ、ふと「お店の営業自粛で困っている女の子とお客さんをネットマッチングすればいけるかも」とひらめいた。

 そこで4月頭、準備もできていない状態で「Zoomキャバクラをやります」と見切り発車でツイートすると大きな話題に。「著名人にリツイートされて広がり、まだ開店準備もできていないのに、仕事を失った女の子たちから『働きたい』との連絡がどんどん届き始めました」とAさんは振り返る。

 それから店舗サイトの立ち上げを外部に発注し、投稿から1週間後にサービススタート。その後も「働きたい」という女性からの応募は絶えず、4月頭から5月末までの応募総数は500人超に上るという。

●勤務先が閉店で「メンタルやばかった」

 中には地方からの応募もあり、Aさんリモート面接で採用を進めている。5月末現在、ズムキャバには東京だけでなく、中州やすすきのなど日本全国から集めた女の子が所属。一方、系列店のラグジュアリーは歌舞伎町六本木、銀座の高級店経験者のみが所属している。

 入店する女の子の事情はさまざまだ。Mayuさんは今年4月までは銀座のキャバクラで働いていたが、営業を自粛したため働き続けるのが難しくなったという。休業中の給料や補償金は「支給されていないんです」と話す。

 楓さんは勤めていた実店舗が閉店し、ズムキャバ入りを決めた。「新型コロナの影響でオープン時から所属していたお店の閉店が決まりました。お給料もゼロになりましたし、メンタル的にやばかった(辛かった)」という。

●当初はライト層の若者、最近は “ガチ勢”のおじさんが中心 女性客も

 Aさんによると、ズムキャバのスタート当初は若いIT系ビジネスマンの客が多かったが、リピート率は低かったという。最近ではキャバクラ好きな中年男性客が増え、すっかり定着しているそうだ。

 「最近は“ガチ勢”のおじさんが増えてリピーターになっています。彼らはITに疎いので『Zoomとは何か』から教えることもあり、キャバクラなのにパソコン教室のようになる時も。でも、そういう人たちの方がお金を使ってくれます」

 中には、客と店員が全国に散らばっているズムキャバならではの使われ方も。「東京の客が、方言目当てで地方の女の子と話すこともあります。地方の企業の社長などは、普段は会えない、東京の人気店にいた子を指名します。アメリカシンガポール、タイ、ブラジルノルウェーなどに赴任中の日本人客も利用しています」とAさんは話す。

 わずかに女性客も訪れるという。同性の話し相手が欲しい人や、ズムキャバで働きたくて情報が欲しい同業者などで、楓さんは彼女たちの相談に乗ったこともある。

 人気が出るキャバ嬢も実店舗とは違う傾向があるようだ。「実店舗だとケバくてセクシーな子が人気ですが、リモートでは親近感や包容力がある子が人気。こういう状況で不安な気持ちがあり、心のよりどころを求めるお客さんが多いのでしょう」

ツールはあえてZoomだけ

 ズムキャバの人気を支えているのはネットの活用だ。Twitterでは約2300人のフォロワーを抱え、出勤する女性の情報やイベントなどの告知を頻繁に行っている。新型コロナ禍を機にリモート接客を始めたキャバクラは他にも数店舗あるが、フォロワーはそれぞれ数百人程度にとどまり、ズムキャバは告知などの拡散力で大きな差をつけている。

 Aさんは「同じアイデアを考えた人は多いかもしれませんが、他の人よりも早く行動を起こしたスピード感がバズり、注目度アップにつながったのかもしれません」と話す。

 使えるツールをあえてZoomに絞り、Zoomを連想させるキャッチーな店名にしたことも、ネットで話題を呼んだ一因だとAさんはみている。「ツールは正直、何でもよかったです。テレワークの普及に伴ってZoomが話題になり、『Zoom飲み』が流行していたので、その流れに乗っかるためにZoomに特化しました」

●店員には意外なデメリット

 ただし、オンラインであることはメリットばかりではない。店員がより多くの指名を得て“成り上がる”には、どれだけ新しい客と知り合うかがカギで、実店舗では複数の客のテーブルを回りながら接客することで名前を売れる。一方、リモートでは1対1が基本で、効率よく新規の客と知り合うのが難しいという。

 楓さんは「働く上での便利さはズムキャバですが、(稼ぎやキャリアの)伸びしろがあるのは実店舗かもしれません。実店舗ではテーブルを行ったり来たりできますし、チップをくれるお客さんもいます。実店舗の方が稼げていたのは確かです」と話す。「今後は実店舗で働きつつ、お客さんが来ない時はズムキャバで働くことを考えています」という。

 Mayuさんも「実店舗の方が稼げてましたね。それに、銀座の水商売の世界には独特の文化があって、オンラインで接客していると周囲の同業者から批判される場合もあるんです」と明かす。「ただ、私はキャバクラで働きながらバックパッカーをしていて、ズムキャバではドレスが1着あればどこからでもリモートで働けるので、辞めないと思います」

吉野家や松屋ではなく、叙々苑のような存在に

 Aさんもこうした課題を把握しており、30分おきに店員が交代するサービスを始めるなど対策を練っている。他店舗は1時間当たり2000円3000円程度の料金を設定している中、ズムキャバではやや高めの料金を設定。さらにズムキャバとラグジュアリーの2ブランド体制を採っていることも、店員の稼ぎを確保するための工夫だ。

 「確かに、高級店の子の中には『待遇面やブランディングの面がちょっと引っ掛かる』と感じる人もいたようです。そうした子を取り込むために。高級感のある2号店(ラグジュアリー)を出店しました。他店舗と“吉野家と松屋”のような戦いはしたくない。値段も張るけど質もいい、叙々苑のような存在になりたいです」とAさんは話す。

 料金が安いと、女性に支払う給料も大幅に下がり、接客の質やモチベーションに影響する。こうした事態を避けるため、一定の料金水準を保ちたいというのがAさんの考えだ。

●GWは300万円の売り上げ

 この戦略が奏功し、特に利用者が多かったゴールデンウイーク中は、4月28日5月9日の11営業日で計300万円ほどの売上があった。現在の客入りはピーク時から落ち込んでいるものの、十分に利益が出る水準だという。

 比較的高い料金を設けることで客のレベルを保つ効果もあり、Mayuさんや楓さんが挙げたような手癖の悪い客は2~3人で、ほぼ全ての客はまともな人だという。Aさんが客からの申し込みを受ける際にLINEアカウントを聞くのは、“捨てアカ”を作りにくく、メールなどより利用のハードルが高いからだ。客が不審な行動を取った場合は、店員がWeb会議からすぐに退出することを認めるなど、困った客への対策を進めている。

 ズムキャバやラグジュアリーのキャバ嬢は実店舗とは異なり、アフター(同伴外出)に行かなくてよく、わいせつな行為をされた時点で通話を切れば縁も切れる。体も指一本触れられない。バーチャル背景を使えば家もバレない。これらの安全性もリモートならではだ。

●平和な世界になってほしい

 5月半ばに入ると新型コロナ感染者数が落ち着き始め、政府が緊急事態宣言を解除した。地域によっては営業を再開するキャバクラも出始めており、ズムキャバやラグジュアリーを辞めて実店舗に戻る女性店員も出てきそうだ。だが、Aさんはこれからも両店舗を閉店せず、副業として続ける考えだ。

 「緊急事態宣言中の勢いがずっと続くとは思っていませんが、リピーターもついています。海外や日本全国のお客さんを獲得できるのはオンラインならではですし、今後もビジネスとして残ると考えています。家賃などのランニングコストもかからず、利益が出やすいのもこのビジネスの魅力です」(Aさん

 とはいえ、もし客数がさらに落ち込んだとしても、Aさんは世の中が元に戻るのであれば気にしないという。「いずれは新型コロナが落ち着き、『ズムキャバなんてアホなことやっている人もいたな』と言われるような、そんな平和な世界になってほしいです」とAさんは願っている。

「ズムキャバ」で働くMayu(まゆ)さん


(出典 news.nicovideo.jp)