最近Appleは、MacのCPUをIntelからARMベースのものに移行する予定だと発表しました。
しかし、ARMへの移行は一度に行われるわけではなく、IntelとARMベースのMacが同時に存在することになるようです。
新しいパソコンを買おうと考えている人は、現在のIntelのMacを買うべきか、それともARMのMacまで待つべきか、どちらがいいのでしょうか?
今回は、それぞれのMacの長所と短所を見ていきましょう。
今IntelのMacを買うべき理由
MacはすでにIntelのCPUを何年も使っている
このAppleInsiderの動画では、両方のCPUについて適切な例を説明していますが、ARMベースのMacを早めに導入した場合に考えられる懸念事項をあげてみましょう。
動画の中で、Andrew O'Haraは、Appleは少なくとも2年かけてARMへの移行を完了させるつもりだと言っています。Appleは、新しいARMベースのCPUの13インチのMacBook Airと13インチのMacBook Proを来月発売予定ですが、それ以外のARMベースのMacは2021年まで発売されません。
この初期のモデルは、間違いなく期待されていると思いますが、最高のデバイスでも、期待に見合うまでに何回かバージョンアップが必要です。
また、ARMに移行することによって、AppleはMacのハードウェアのアップグレードが容易になるので、最初の数年間は少なくとも何回か刷新される可能性が高いです。
逆に、最近発売されたIntelベースのMacやMacBookのモデルは、素晴らしいスペックのものが多いです。2020年、2019年、2018年に発売されたMacでも、あと数年はゆうに使えるはずで、Appleが数回のハードウェアのアップデートを重ね、ARMのCPUを完璧なものにし、サードパーティーの開発者がアプリを対応させるのに、十分過ぎる時間があります。
現在のアプリはすべて動作するはず
新しいARMのMacが直面する大きな問題のうちのひとつが、アプリの互換性です。
また、先ほどの動画の中でもAppleInsiderが、少なくとも最初は、サードパーティのMacOSのアプリはARMのMacではうまく(もしくはまったく)動作しないだろう、と忠告しています。
一方、IntelのMacでは、現在発売されているMacOSのアプリは当然ながらすべて動作しますし、あともう数年は間違いなく動作し続けるでしょう。
Appleは、新製品の発売後も古いプロダクトをきちんとサポートする実績があるので、Appleが完全にARMに移行した後でも、Intel Macも絶対に切られたりはしないはずです。
古いIntel Macを買えば節約できる
「ZDNet」は、古いIntel Macでも十分に使えるだけでなく、ARM Macが市場に出始めると、Intel Macの価格が下がるだろうと書いています(中古市場や改造の部品は特に)。
このような節約の上乗せがあると、AppleがARMを発売してからも、Intel Macを買う価値がますます上がります。
Windowsユーザーの場合
「ZDNet」の動画では、今あえてIntel Macを買うべきもうひとつの興味深い理由として、Windows 10をあげています。
Windows 10のドライバーはIntelのCPUとは互換性があるので、 Boot CampでmacOSと並行して第2のOSとしてWindowsを簡単にインストールできるのです。
ARM版のWindows 10もありますが、Appleの新しいARMマシンでも動作するかどうかはわかりません。つまり、Macでデュアル・ブートする時代は終わり、もしくは少なくともしばらくおあずけだということです。
Windows 10は、macOSについていきたいのであれば、最終的にARMに移行しなければならなくなるだろうと言う専門家もいます。一方で、そこまで大きな問題ではないという専門家もいますが。
しかし、今のところ、MicrosoftのアプリでAppleのARMのマシンにインストールできるものは少なくともいくつかあるので、Windows 10も同じように動作する可能性はあります。
しかし、発売するまでは何とも言えませんので、デュアル・ブートのパソコンが必須の人は、Intel Macを手放さないようにしてください。
ARMのMacを待つべき理由
macOSのパフォーマンスがいい
CNETのIyaz Akhtarも、AppleInsiderと同じ問題をいくつもあげていますが、今後の展望についてはもう少し期待値が高いよう。ARMがもたらすであろうアップグレードが、見逃せないほどいいからです。
Macのチップセットを直接管理できると、Appleが自社のアプリやmacOSを、新しいARMマシンでうまく動くように細かく調整できます。
iPhoneで、iOSのパフォーマンスを最適化できるのと同じようなことです。Akhtarは、初期のARMのMacでも、macOSのパフォーマンスはよくなり、アプリは速く動き、バッテリーはIntel Macよりもさらに長持ちするだろうと予測しています。
また、Appleはより早いペースでハードやソフトを開発し、より簡単にアップデートできるようになります。
macOS、iPadOS、iOSの統合がより強化される
CNETは、アプリの互換性の問題は思ったほど悪くないかもしれないと言っています。
Appleの自社のほとんどのmacOSアプリは、初日からARM Macで動作します。MicrosoftやAdobeのようなサードパーティーの主な会社は、最初からきちんと動作するように取り組んでいきます。
より小さなサードパーティーの開発会社のアプリや古いソフトは、そこまで頻繁にアップデートできないのが問題だと、Akhtarは言います。
しかし、うれしいことにAppleはこれに対しても準備しています。Appleは、開発会社がmacOSアプリを簡単に移行できるようにするだけでなく、すべてのiOSとiPadOSアプリが、新しいARMのMac上でも実行できるようにしています。
このことによって、ユーザーがお気に入りのプログラムやアプリがアップデートされるのを待つ、時間的なギャップが埋まるはず。
「Computerworld」は、このことは今後このようなデバイス間のクロスプラットフォームな互換性がさらに増え、Macのデスクトップから直接iPhoneやiPadを動かせる可能性があることを意味している、と言っています。
結論:新しいMacは今買うべきか、待つべきか?
今買うにしても、待つにしても、そうするだけのはっきりとした理由があると思います。
結局は、早めにARMにアップグレードする楽しみや期待値が、第一世代にありがちな成長のための痛みよりも上回っているかどうかでしょう。
個人的には、Appleの新しいARM Macのパフォーマンスや、Appleがロックを解除できる新機能が楽しみですが、13インチのMacBookに関しては特に、待つ方に気持ちが傾いています。
Mac Proのような最新のハードウェアやハイエンドマシンの中に、本当のイノベーションが見られると思うからです。
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(出典 news.nicovideo.jp)
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