長い目で見れば、今はキャッシュレス決済時代のカンブリア紀である。大海に放たれた各銘柄は日毎に進化しているが、一方で「種類の多さ」が摩擦や問題をも生み出している。PayPayは使えるがSuicaは使えない、というような事例だ。

 だがこの記事では、「クレジットカードの使えない店舗」について言及したい。即ち、今まで現金決済のみだった店舗が最近になって交通系ICカードでの決済を導入したというパターンである。この場合、スマートフォンモバイルSuicaが大活躍するはずだ。

クレカ非対応の店で

 先日、このようなことがあった。大手宅配業者の直営店へ行き、荷物を発送しようとした。その際の料金をクレジットカードで支払おうとしたが、ここではクレカは非対応。が、交通系ICカードには対応していた。

 この直営店から最寄りのATMまでは、中途半端に距離がある。それ以前に、現金引き出しは手数料が発生するから利用したくない。しかし幸いにも、筆者はiPhoneユーザーモバイルSuicaを使って無事に荷物を発送することができた。その際の残高は紐付けのクレカからチャージする、という方法である。

 このように、モバイルSuicaは「クレカ非対応」の急場を救ってくれるものだったりするのだ。

◆「その都度チャージ」もできる

 この直営店に限らず、クレカは使えないが交通系ICカードは使えるという店は意外によくある。

 もちろん、その時自分が残高十分の交通系ICカードを持っていれば、トラブルは発生しない。しかし交通系ICカードの弱点として「その場ですぐにチャージできない」というのがある。ならば、クレカと紐付けしたモバイルSuicaをもっと上手く活用できないだろうか?

 「クレカ×モバイルSuica」は、少額決済にも取り回しがいい。最低チャージ金額は、何と11円から。筆者のiPhone SE 2で試した結果、10円以下のチャージは不可で、11円以上なら対応できた。これなら、必要に応じた「その都度チャージ」が可能だ。

 極論になってしまうが、モバイルSuicaがあれば日常的にクレカを持ち歩く必要はなくなるかもしれない。普段はクレカを金庫にでも入れておけば、摩耗の心配もない。

 これもやはり私事で恐縮だが、筆者は最近クレカを止められた。支払いを滞納していたから……ではなく、海外にいる誰かが筆者のクレカを不正利用し、それをカード会社が察知したからだ。セキュリティー部署の人たちには頭の上がらない思いだが、クレカを日々使っているとそのような犯罪に巻き込まれる可能性がある。

 それを阻止するために、日々のクレカ利用をモバイルSuicaとの紐付けに限定してしまう手段も確かにある。

NFCクレカの定着を阻止するか?

 実は今年に入り、物体としてのクレカに大革命が起こっている。カードの本体にNFCが内蔵されるようになったのだ。交通系ICカードのような非接触決済が可能になった、ということである。

 ところが、クレカ内蔵のNFC交通系ICカードNFCでは規格が異なる。従って「Suicaは使えるがクレカの非接触決済は使えない」ということに度々出くわす。現状がそうであるなら、ここは日頃からモバイルSuicaを使ったほうが手っ取り早い……と考えるのは、むしろ人情だ。

 FeliCaという、世界的に見れば非常に珍しいNFC規格を採用している交通系ICカードは、それ故に「黒船」NFCクレカの定着を阻止してしまう可能性がある。より平明な表現をすれば、クレカ紐付けのモバイルSuicaNFCクレカとほぼ同等のパフォーマンスを発揮してしまうということだ。それだけ優秀なキャッシュレス決済手段が日本に存在するということは、頭の片隅に入れておくべきだろう。<文/澤田真一>

【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジーガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログたまには澤田もエンターテイナー

画像はイメージです(Photo by Photolibrary)
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(出典 news.nicovideo.jp)

「モバイルSuicaのクレカ紐付け」が優秀、これだけで日常は事足りる

これ確かに便利ですね!!
私もApple Watchで日々助かってます笑





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