auから8月5日に発売された5G対応スマホ「ZTE a1」を使ってみました。auオンラインショップの価格は5万9980円(税込)で、「かえトクプラグラム」を利用した場合の実質負担金は3万6430円。発売日時点では、auが販売する5Gスマホの中で最安値です。
ZTE a1は、グローバルで展開するモデルではなく、au限定モデルです。スペックを見ると「AXON 11 5G」というモデルに共通点が多いのですが、インカメラの位置や生体認証の仕様など異なる部分も多く、純粋にベースモデルとは言えないようです。ZTEがauのリクエストに応えてカスタマイズしたオリジナルモデルと捉えるべきでしょう。
このZTE a1について、auは“ちょうどいい5G”というキャッチコピーを掲げています。何がどういうふうにちょうどいいのか? 1週間ほど使ったレビューをお届けします。
ディスプレーは約6.5型で、解像度は2340×1080ドット。有機ELではなくTFT液晶を採用していますが、画質は鮮明で、有機ELに劣りません。
画面が大きいので、ボディーが大きくなるのは必然。ベゼルを細くして、パンチホール型のインカメラを搭載していますが、サイズは約76×164×9.2mmで、重さは約190g。最初に手にしたときにはゴツく感じるかもしれません。
右側面に電源ボタンと音量ボタンを搭載し、上部にSIM/microSDスロット、底部にUSBポートとイヤホンジャックを装備。ベーシックで使いやすい配置と言えるでしょう。
背面には、四角いカメラユニットと指紋センサーを搭載。背面パネルは光沢があり、エッジに曲面処理を施すなど、リッチ感のある仕上がり。シンプルで飽きが来なそうな、“ちょうどいい” デザインと言えそうです。
4眼カメラは“ちょうどいい”以上の使い勝手
クアッドカメラは、メイン(約4800万画素)+広角(約800万画素)+マクロ(約200万画素)+深度測位カメラという構成。13種類の被写体・シーンを認識して、最適な設定が行なわれる「AIカメラ」機能も備えています。
まずは、筆者が撮影した写真をご覧ください。
広角カメラは120度の視野角で撮影できます。広角レンズ特有のパースによる歪みが強めに出ますが、迫力のある写真が撮れるので、積極的に撮影を楽しめそうです。広角カメラよりメインカメラのほうが明るく撮れますが、撮影シチュエーションによっては、明るすぎて露出を下げたくなることもありました。
メインカメラには、4つのピクセルを1つにまとめて、ノイズを抑えた明るい写真を撮れる技術が採用されています。夜景を撮影した際に、その効果を実感できました。夜景は広角カメラではなく、メインカメラで撮るべきです。
「マクロモード」を選択すると、マクロカメラに切り替わり、4cmの距離まで近づいて撮影することができます。ただし、「マクロモード」ではピントが合った表示が出ず、音も鳴らないので、本当にピントが合っているのか? と不安になったり……。思いきって被写体に近づかないとピンボケ写真になったりしたので、シャッターチャンスがわかる表示が出たらいいのなぁと思いました。
「モノカラー」というユニークな撮影モードも楽しめます。これは、指定した色だけを残して、あとはモノクロにする機能です。青、緑、赤を残すことができ、SNS映えしそうな印象的な写真を撮影することができます。
カメラは流行りの広角撮影を楽しめて、「タイムラプス」や「スローモーション」など、そんなに使わないかもしれないが、あったほうがいいかも……という機能も揃っています。インカメラの画質や機能も満足必至で、多くの人にとって“ちょうどいい”以上の仕様だと思います。
5Gスマホの中では低めのスペックだが
パフォーマンスに支障なし
今年の春、各社が5Gスマホの第1弾として発表したモデルはSnapdragon 865(最大2.8GHz)を搭載するハイエンドモデルが中心でした。しかし、ZTE a1はミドルハイ向けのSnapdragon 765G(最大2.4GHz)を採用しています。
「Geekbench 5」というアプリでベンチマークを測定した結果、Snapdragon 865を搭載するモデルでは、マルチコアのスコアが3000を超えるところ、Snapdragon 765G搭載のZTE a1は2000を少し下回るスコアでした。
しかし、実際に使っていて、アプリの起動がもたつくとか、タッチ反応が鈍くなるといったことはありません。基本的な操作ではハイエンドモデルと比べて遜色はなく、動画編集など負荷の高い作業をしない限りは気にならない程度の差でしょう。
バッテリー容量は3900mAhで、電池持ちはまずまず。ゲームや動画視聴に使う時間がそんなに長くなければ、1日は持つはずです。ですが画面が大きいと、必然的に動画を見る時間が長くなるかもしれません。ゲームの楽しさも増すでしょう。ということで“電池容量は十分”とは言い切れません。“ちょうどいい”とは言えそうです。
しばらく使ってから便利に感じたのは、指紋センサーを指紋認証以外に使えること。なぞることで指定したアプリを起動したり、通知パネルを表示させたりできます。筆者は後者を設定しましたが、「au PAY」などスマホ決済のアプリを設定しておくのも便利でしょう。
【まとめ】使ってからの満足度が高い端末(5G接続は未検証)
ZTE a1を使ってみて感じたのは、派手さはないが大画面が見やすく、サクサクと操作できて使いやすいこと。使い始めた当初は、ボディーが大き過ぎるように感じましたが、この画面サイズに慣れると、もう小さい画面には戻れなくなるでしょう。筆者は50代ですが、小さな文字が見えづらくなる同世代にオススメしたい端末です。
残念だったのは、筆者が試用した期間には「5G」というピクトが見られなかったこと。筆者の日常的な行動範囲は5G圏外なので、以前、AQUOS R5GやOPPO Find X2 Proで5G接続を確認できた場所(渋谷)に行ってみたのですが、ZTE a1では5Gをキャッチできず……。発売前の端末だったからなのか、ネットワーク側の問題だったのかは定かではないのですが、今回のレビューは、4G LTEおよびWi-Fi環境で検証した結果であることをご了承ください。
(出典 news.nicovideo.jp)
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