ASUSのZenFoneシリーズ最新モデル「ZenFone 7」を使ってみました。2019年に発売された「ZenFone 6」と同じく、180度回転するフリップカメラを搭載。ZenFone 6ではデュアルカメラでしたが、ZenFone 7はトリプルカメラへと進化しています。Snapdragon 865を搭載し、5Gに対応するハイスペックモデルで、価格は8万5800円(税別)。カメラ機能を強化した上位モデル「ZenFone 7 Pro」もあり、そちらは9万9800円(税別)。SIMフリースマホの中では、かなり高額のモデルです。
なお、今回レビューするのはベーシックグレードのZenFone 7であり、上位モデルのZenFone 7 Proではありませんのでご了承ください。
大画面ディスプレーを搭載し、ボディーは重め
ZenFone 7のサイズは約77.2×165×9.6mmで、重さは約235g。6.67型の大画面ディスプレーを搭載していることもあり、ボディーは大きめ。手にするとずっしりとした重みを感じます。
ディスプレーは有機ELで、解像度は2400×1080ドット。フリップカメラがフロントカメラの役目もはたすので、ノッチもパンチホールもなく、フロントパネルの約92%をスクリーンが占めます。明るくてコントラストも高め。小さな文字もくっきり表示されます。90Hzのリフレッシュレートに対応しているので、動画を観たり、ゲームをしたりすることが多い人にもオススメできます。
右側面には音量ボタンと「スマートキー」を搭載。スマートキーは電源のオン・オフ、指紋認証に使えるほか、Googleアシスタントなど、よく使う機能を割り当てることもできます。右手で持ったときに親指を当てやすい位置にあるため、端末を右手で持つ人はスムーズにロックを解除できます。筆者は左手で持つことが多いので、左手の人差し指も登録しましたが、やや使いにくく感じました。なお、顔認証にも対応していますが、その都度フリップカメラが動くので、効率がよいとは言えません。
左側面にはSIM/microSDスロットを搭載。2枚のnano SIMに加えて、microSDカードも装着できます。5G対応で、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)にも対応。5GのSIMと4GのSIMを挿して併用でき、さらにmicroSDでストレージを拡張できるわけです。現時点では最強の仕様と言っていいでしょう。
カラバリはオーロラブラックとパステルホワイトの2色から選べます。ガラス仕上げの背面パネルには奥行き感があるグラデーションが施され、ひと目でハイエンドのわかる質感になっています。
超広角から光学3倍まで
安定した高画質で撮れるトリプルカメラ
最大の特徴であるフリップカメラは、メイン(6400万画素)+超広角(1200万画素)+望遠(800万画素/光学3倍ズーム)という構成。
メインカメラはF値が1.8で、撮像センサーにソニー製の「IMX686」を採用。スマホ向けとしては大型のセンサーで明るく撮れることが利点。超広角カメラは115度の視野角で撮影でき、4cmのマクロ撮影にも対応。個々の画素に2つのフォトダイオードを備え、高速でピントを合わせる「デュアルピクセルオートフォーカス」にも対応しています。望遠カメラは光学ズームで3倍、デジタルズームでは最大12倍で撮影できます。まずは、実際に撮影した作例を見ていただきましょう。
超広角→広角(メイン)→望遠と切り替えても、明るさや色調がほとんど変わらないので、シームレスなズーム撮影が可能。AIによる自動設定機能もあり、空が極端に青く写ったり、夜景写真が明るくなりすぎたりすることなく、すっきりとした色味で撮れました。これといって苦手な被写体やシチュエーションはなく、なんでもキレイに撮れる印象です。
カメラの向きは、写真撮影時は音量ボタン、動画撮影時は画面に表示されるアイコンをタップして、自在に調整できます。お気に入りのアングルを記憶させて、ワンタッチにその角度にする機能もあります。
筆者がフリップカメラを使って、便利だと思ったポイントは3つ。まずは、ラクな姿勢で撮影できること。ローアングルで撮りたいときに、低くしゃがんだり、カメラを上向きに構えたりする必要はなく、自然な姿勢でシャッターが切れます。俯瞰で撮りたい場合も、ディスプレーが見えやすい角度にして、構図を確認しやすいのが利点。慣れるほどに便利さを実感でき、写真を撮ることが楽しくなってくるはず。結果として、写真表現の幅が広がることでしょう。
次に、カメラを動かしながら撮れること。カメラが自動で動いて撮影し、パノラマ写真が合成される「オートパノラマ」という機能があるのですが、これが楽しい! 自分でスマホを動かす必要がないので、つなぎ目が気にならない自然なパノラマ写真が簡単に撮れます。最後にカメラが反対向きになって自分自身も写りますが「ギャラリー」の編集機能で簡単にトリミングできます。また、動画撮影中にカメラを動かすことも可能。スマホを固定した状態で、周辺の状況をぐるりと撮影したり、カメラを反転させてレポートする自分自身を映したりすることもできます。
3つ目は、高画質でセルフィーを撮れること。トリプルカメラを反転させてフロントカメラとして使えるので、最強のセルフィーカメラとも言えます。自撮りがすることが多い人には大きなアドバンテージとなるでしょう。筆者はオッサンですから、自撮りをする習慣はないのですが、超広角での自撮りは、景色が主役のスナップが撮れ、結構いいなぁと思ったりもしました。
パフォーマンスと電池持ちも申し分なし!
OSはAndroid 10。CPUはSnapdragon 865(最大2.84GHz)で、メモリーは8GBというハイスペック仕様。動作性が悪いわけがありません。アプリの起動やタッチレスポンスは快適そのもの。動画の編集もスムーズにできます。
5000mAhのバッテリーを内蔵しているので、電池持ちも良好。スペックシートによると、バッテリー駆動時間は、LTEのモバイル通信で約10時間、5Gで約6.2時間ということなので、5Gを使わない状況では、5G通信をオフにしたほうがよさそうです。
【まとめ】ハイスペック5Gスマホ+高機能デジカメ
と捉えると高くはない!?
ZenFone 7は、スマホとしてはやや重めで、片手での操作には向きません。しかし、そのヘヴィーなボディには誰もが満足し得る性能を備えています。おサイフケータイと防水・防塵を除けば、いま求められる機能はすべて備えていると言ってもいいでしょう。自在なアングルで高画質で撮れるカメラは、デジカメよりも使い勝手がいいかも。“ハイスペック5Gスマホ+高機能デジカメ”と捉えると、8万5800円(税別)は高くないのかもしれません。
(出典 news.nicovideo.jp)
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