「Miスマートバンド5」は、シャオミ(XIaomi)が1月8日から日本国内で発売を開始したフィットネストラッカー。グローバルでは「Mi Band 5」の名称で既にリリースされている製品です。価格が4490円とお手頃でありつつも、スマートウォッチに期待するような基本機能を一通り備えている点で、ウェアラブル入門者には有力候補となるでしょう。同機はAndroidだけでなく、iOSにもペアリング可能だということで、今回はiPhoneと連携して使ってみました。
「Miスマートバンド5」の進化点とは?
Miスマートバンド5の価格は、前世代モデルの「Mi スマートバンド4」と比べて、価格が3000円台から4000円台へと少しだけ上がっています。しかし、後述する3つの進化点を考えれば、圧倒的に新モデルの方がオススメです。
1つ目は、1.1インチの縦長なカラー有機ELディスプレーを備えること。従来モデルの「Mi スマートバンド4」が、0.95インチだったため、わずかながらに大画面化を果たしました。文字盤デザインにもよりますが、従来モデルのサイズでは、時刻・歩数だけの表示だったとすると、新モデルではさらに心拍数までを表示できるイメージでしょうか。
LINEやFacebookメッセンジャーの通知などをテキスト表示で確認できるため、画面が長い方がより長文を表示でき、内容を確認しやすいことがメリットになります。
2つ目は、充電操作が非常にラクになったこと。従来モデルでは、バンドからトラッカー本体を外してから、クレードルのような充電器に装着しなければなりませんでした。しかし、新モデルではバンドを装着したまま充電器に接続が可能。本体裏にマグネットでカチッと固定するだけでよいのです。
ちなみに、バッテリー持ちについては、最大14日の連続使用が可能。筆者が実際に1週間装着してみた印象では、毎日30分以内のワークアウトを定期的に実施しても、50%以上残っていました。設定やワークアウトの利用時間にもよりますが、標準的な使用ならば、1週間程度の出張時などで充電器を持たなくても全く困ることはないでしょう。
3つ目は、光学式心拍センサーの計測精度が向上していること。各種トレーニングをした際の消費カロリーなどをより正確に確認できるといいます。ただし、今回は従来機との比較検証はしていないので、詳細についての言及は避けておきましょう。
なお、「Mi Fit」アプリの設定項目には、「心拍数モニタリング」という欄があり、その中で「アクティビティモニタリング」という機能のオン・オフ切り替えが可能です。同アプリ内には、これを有効にすることで、ワークアウト中の計測頻度が増加して、心拍数データの正確性が向上するという記載がありました。
実際に使ってみた感想は「優秀だが、必要な設定は多い」
Miスマートバンド5を実際に1週間ほど使ってみたところ、「この価格でここまでできるのは確かに優秀だなぁ」という感想を抱きました。通知の確認や、アラーム、ワークアウト、睡眠計測などで利用する分には、数万円するスマートウォッチと体験の差はさほどありません。見失ったスマホを探したり、カメラの遠隔シャッターになる機能もあります。時計型のデザインにこだわらないのであれば、有力な検討候補になるでしょう。
ただし、ペアリングの際に使用する「Mi Fit」アプリには、大量の設定項目が用意されているので、使用する場合には細かいカスタマイズが前提になります。ガジェットの扱いに慣れていない人にとっては、初期設定と使いやすくするためのカスタマイズで苦労することはあると感じました。
利用手順としては、まず「Mi Fit」アプリをインストールし、アカウントを新規作成します。その後、毎日の歩数目標などを定め、ペアリングしたいデバイスを選択。Miスマートバンド5の画面に認証画面が表示されたら、それをタップしてペアリングをします。
その後の設定操作の多くも、このMi Fitアプリ内から実施します。階層が複雑なので覚えづらいですが、「プロフィール」タブに表示される「マイデバイス」欄の「Mi スマート バンド 5」をタップすると、カスタマイズができます。
次のページでは、絶対に設定しておいた方が良いと筆者が感じた3つのポイントについて紹介してます。
1. 通知は振動までカスタマイズしよう
まずは通知の設定です。デフォルトではアプリからの通知表示が許可されていないので、「アプリ通知」を選択し、通知を許可したいアプリのスイッチをオンにしておく必要があります。着信通知も「着信」の欄から同様にオン・オフを切り替えられるので必要に応じて調整しておきましょう。「メール」や「SMS」も別個の設定欄が設けられているので、それぞれ必要ならばオンにしなくてはなりません。
ちなみに、通知ごとにバイブレーションをカスタマイズすることもできました。「バイブレーション」の設定項目から各種通知の振動をカスタマイズできます。「+(追加)」をタップすることで、画面をタップして、任意の振動パターンを新規作成できるのです。たとえば、メール通知なら1回振動、アラームなら振動し続けるのような違いを設けられます。ただし、アプリ通知は一つでまとまっているので、LINEとFacebookメッセンジャーの振動を分けるようなことはできません。
2. 画面表示を使いやすくしておこう
続いて、アプリの配置です。一般的なスマートウォッチと比べてディスプレーがコンパクトなため、使い勝手をよくするためには、画面表示のカスタマイズが欠かせません。
前提として、タッチ操作の操作体系としては、ディスプレー部分の上下左右スワイプと、画面下部にあるボタンをタップすることの2種類があります。そして、画面スワイプでは1度操作すると画面が1つ切り替わるような動きになるので、画面数が多いと操作に手間がかかるのです。
工夫としては、(1)画面の切り替え数を減らすこと、(2)ショートカット画面を活用すること、の2つが重要。
まず、頻繁に使う機能は、少ない切り替え操作でアクセスできるようにしておくことが重要。Mi Fitアプリにある「ディスプレイ設定」から画面の並び替えができるので、文字盤の上下につながる部分に、配置しておきましょう。
続いて、画面の左右スワイプですぐアクセスできる「ショートカット画面」にも、利用頻度の高い機能を割り当てておきましょう。こちらもMi Fitアプリの「ショートカット設定」からカスタマイズできます。
こうした設定をしておかないと、いざワークアウトをしようと思ったときに、小さな画面で何度もスワイプ操作などを行わなければならず、フラストレーションが溜まります。初回は少し手間がかかりますが、快適に利用するためには上述したような設定操作をしておくのがオススメです。
3. 画面の明るさと表示をコントロールしよう
最後は、画面の明るさと、腕を持ち上げたときの表示や、夜間の表示についての設定です。
画面の明るさについては、Miスマートバンド5自体の設定項目から選択できます。「その他」→「設定」→「画面の明るさ」を選択し、5段階で調整しましょう。筆者の場合、明るさ「3」で特に困ることはありませんでした。
腕を持ち上げて画面を表示させたい場合にも設定が必要です。デフォルトでは同機能がオフになっているので、腕の動きでは画面は表示されず、タップが必要になり手間でした。Mi Fitアプリの設定画面から「手首を持ち上げて情報を表示」の項目をカスタマイズしておきましょう。「スケジュール」を選択しておけば、同設定が有効になる時間帯を指定できました。
夜間に画面表示がまぶしくなってしまうことを防ぐには、さらに「ナイトモード」を有効にしておきましょう。同機能をオンにしておけば、指定した時間に画面の明るさを自動的に下げてくれます。
また、Miスマートバンド5本体の「その他」にある「DND(Do Not Disturb=いわゆる「おやすみモード」)」をオンにしておけば、通知等を制限できるので、これも覚えておくと良いでしょう。
5000円未満でこれだけの機能が使えるなら十分アリ
「Miスマートバンド5」は、設定しなけらばならない項目が非常に多いとは感じましたが、5000円未満でこれだけの機能が使えるなら十分アリでしょう。防水にも対応していますし、装着しながら洗い物などの家事をしてても気になりません。デバイス自体も軽いので、終日付けっぱなしでも大して負担になりませんでした。機能としては、特に睡眠とワークアウトの計測で重宝しそうだなと筆者は感じました。
もちろん、「日本語フォントが鋭くてあまり好みではなかった」「PAIの計測はかなり強度が高く日常使用向けではない」など、個人的に指摘したい部分もあるにはありましたが、全体のバランスとしてはよく整っている印象です。「スマートウォッチは気になっていたけれど、数万円も出せない」という人はこちらを検討してみると良いかもしれません。
(出典 news.nicovideo.jp)
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