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 待望のM1プロセッサー搭載のiMacを、発売よりも一足先に試用することができた。今回は、そのファーストインプレッションをお届けする。一言で表せば、先日のアップルイベント春の祭典」を見た際に受けた印象どおり、大判のiPadスタンドを付けたような本体デザインを、かなり洗練されたレベルで具現化したものであると感じられた。しかしもっとも気に入ったのは、実はその点ではない。そうしたスリムなデザインとは関係ない、いやむしろ相反するような特長だった。

最初に起動音で感じた胸騒ぎは本物だった

 いきなりだがコンピューターとしての機能や性能、使い勝手とは直接関係がないと思われがちな話から始めることにしよう。新しいiMacの電源を入れると、まず最初に気づくのがほかでもない「その特長」だからだ。それはかなり印象的な起動音だ。

 Macに電源を投入した際の起動音は、何世代か前の製品からしばらく鳴らない仕様になっていた。鳴るか鳴らないかは、macOSバージョンによるわけだがそれがBig Surから復活したことは、まだ記憶に新しい。起動音は本来は荘厳な響きの和音だが、ほとんどのMacの内蔵スピーカーでは、「ジャーン」という軽い音に聞こえる。和音のすべての構成音をバランスよく再生できないからだ。以前のMacモデルでは、起動音をイヤフォン端子などを通して外部に接続したスピーカーから鳴らすこともできた。最近のモデルでは、内蔵スピーカーでしか鳴らないので、起動音が内蔵スピーカーの音質に左右される。

 このiMacでは内蔵スピーカーから出る起動音の響きが、ほかのMacとはまったく異なる次元のものとなっている。今回、iMacセットアップして電源を投入し、最初にその音を聞いた瞬間、はっとさせられた。高音成分だけからなる「ジャーン」ではなく、低音域から高音域までをバランスよく含んだ、ズシンとくるような和音が響くのだ。これで内蔵スピーカーの音質が、これまでにないほど優れたものであるという期待が、一気に高まった。

 その高音質が、起動音にだけ有効なものであるはずはない。macOSが起動してから各種の音楽を再生してみると、起動音によって高まった期待が裏切られるどころか、それを上回るものであることがわかった。iMacの旧モデルに限らず、これまでのMacの内蔵スピーカーとして最高の音であることは間違いない。新しいオーディオ装置を入手したときと同じように、手持ちの音源をあれこれ聴き直してみたくなるほどレベルだ。

 本格的な音楽制作などを除けば、日常的な用途では外部のデスクトップスピーカーなど、まったく不要と言い切ってもいい。それどころか、下手なスピーカーを接続して使えば、このせっかくのiMacの音響体験は損なわれてしまうだろう。

 今年のアップルイベント春の祭典」では、新しいiMacの音質の良さも、内部のスピーカーの構造図などを示しながら強調されていた。しかし、正直ここまでのものとは思っていなかった。

 アップル自身も「Mac史上最高のサウンドシステム」と称している。それが単なる宣伝文句ではなく、まぎれもない真実であることは、実際にこの音を聴いてみるまで実感できないだろう。イベント時の発表を思い出せばiMacの内蔵スピーカーには、2組のフォースキャンリングウーファーが採用されているという。これは、片チャンネルにつき2つのウーファーを用い、それらを逆向きに取り付けることで、ハウジングに伝わる振動をキャンセルするという、コロンブスの卵的な発想によるもの。それによって、音の波形を表す電気信号が、忠実に空気の振動として再現されることになる。この仕組みを知れば、新しいiMacの発する音が、その本体の厚みからは想像できないような、迫力のある低音成分を含んでいるのもうなずけるだろう。

 もちろん、低音だけが強調されたような、バランスの悪いサウンドではない。さらにツイーターも追加して、合計6つのスピーカーを組み合わせたシステムにより、中音域や高音域も含め、余計な味付けのない素直な再生音を実現している。これは、同じアップルの製品で言えば、ちょうどAirPods Maxと同じように、非常に素直でバランスに優れた再生音だと感じられる。同じメーカーの製品として、統一されたポリシーで音響設計を施しているのだろう。

 さらにAirPods Maxとの共通点は、それだけではない。iMacスピーカーも、Dolby Atmosに対応した空間オーディオサポートしているのだ。24インチ、4.5KのP3広色域Retinaディスプレーとの組み合わせは、個人用の映画鑑賞環境としても、かなり魅力的なものとなっている。

シンプルを極めた形状は、軽量で取り回しも楽

 セットアップして電源を投入する前からわかることなので、順番としてはこちらが先だが、新しいiMacの形状は実にシンプルだ。ちょっと変な表現になるが、平らな大小のダンボール板が3枚あれば、ほぼ忠実なモックアップが作れてしまうくらいだ。1枚は、もちろんディスプレーを含む本体になる。残りの小さな2枚でスタンドを作る。3枚の接合部をどうするか、という問題が残るが、3つの平板の組み合わせだけでかなり似たものが作れる。つまり新しいiMacの形状は、それだけシンプルなのだ。

 以前のiMacスタンドは、1枚のアルミ板を大きく湾曲させたような形状だった。そのためもあってか、底面部の面積も大きめだった。新しいiMacスタンドの底面は、幅が約13cm、奥行きが約14.7cmの、角の丸い長方形だ。デスク上に必要な面積は、従来の21.5インチモデルに比べても、かなり小さく感じられる。重量も21.5インチモデルが5.44kgだったのに対し、新しい24インチモデルは、4.46kgと、ほぼ1kgも軽い。これは画面サイズがかなり拡大されていることを考えるとうれしい驚きだ。

 このiMacは、常に持ち運ぶわけではないから、重量はそれほど重要ではないと思われるかもしれない。しかし実際に使ってみると、軽くなったことによって、取り回しが楽になったことは、いろいろな場面ではっきりと感じられる。画面の上下の角度を変える場合もそうだし、背面のコネクターの位置を確認するために、本体全体をちょっとずらして見るような場合もそうだ。

 形状はシンプルだが本体やスタンドカラーリングは、なかなか表情豊かなものになっている。それは本体カラーとして7色が用意されているから、というわけではない。1色を選択して購入したiMacが、濃さの異なる4つのトーンで塗り分けられているのだ。薄い方から挙げると、まずディスプレーの周囲のベゼル部分は白い。これは7色のどれを選んでも変わらない。次にディスプレーのベゼルのさらに下にある出っ張りの部分には、選んだ色のカラーリングが薄めに施されている。今回試用したマシンは「ブルー」なので、この部分は薄い青に着色されている。実は、これとほぼ同じ色が背面に大きくあしらわれたアップルマークにも使われている。次に色の濃いのはスタンドだ。もしかすると、本体正面の下部と同じトーンを狙ったものかもしれないが、質感がまったく異なるので、それとは違った表情を見せる。そしてもっとも濃いのが、本体の背面と側面だ。

 このように1台に4種類のトーンが使われているのも、これまでのMacには見られない特徴だろう。さらに細かいことを言えば電源ケーブルも、選んだ本体カラーの薄い色に着色されている。高級感のある袋打ちコードになっていて、質感もトーンも異なるので、これが5種類めのトーンと言ってもいい。まったく、どこまでディテールにこだわれば気が済むのかと、ちょっとあきれるほどだ。

Ethernetポートを電源に内蔵した究極のレスケーブル設計

 新しいiMacデザインシンプルさを極めていると感じられるのは、上で述べたような各部分の単純な形状からだけではない。そこには、「接続」というものを見直して、ケーブルをできるだけ排除し、少なくともユーザーから遠ざけようという意図が見える。もちろん、それはアップル製品には以前から見られる特徴だが、今回のiMacで、これまでよりもさらに一歩前身したものとなった。

 それが如実に表れているのが、ギガビットEthernet(有線LAN)ポートを本体ではなく、電源アダプターに設けていること。iMacWi-Fiネットワークに接続する場合には不要だし、新しい24インチiMacがEthernetポートを省いてたとしても、それほど不自由は感じないというユーザーも多いだろう。しかし、アップルとしては、デスクトップコンピューターにはEthernetポートは不可欠なものと、今でも考えているのだろう。それでも、そこに接続するLANケーブルは、デスクの上を這い回せるには太く、じゃまものに感じられる。せっかくのレスケーブル設計が台無しになってしまう。

 そこで、電源ケーブルLANケーブルも兼ねるようにするために必要な信号を通し、そのためだけに特殊なコネクターを開発するという英断を下してまで、Ethernetポートを電源アダプターに移動させた。いろいろな意味でそのコストを想像すると、そこまでするか、というのが正直な感想だ。しかし、その効果は絶大で有線LAN接続でも、ユーザーケーブルを目にすることなく使用できるようになった。

 言うまでもなく付属のキーボードマウスは、Bluetoothによる無線接続で、充電時以外はケーブルとは無縁のものだ。新しいiMacキーボードには、指紋認識によるTouchID機能まで搭載されているが、それも含めて完全な無線で機能する。

 なお、一般的なWindows PCでは、デスクトップモデルの場合には、ほぼ例外なくテンキー付きのキーボードが付属しているだろう。確かに、数字を入力する機会の多い人には、iMacの標準キーボードのようにテンキーがないのは不便に感じられる。実はApple Storeで購入する場合には、わずか+3000円でテンキー付きのTouch ID搭載Magic Keyboardに変更できる。テンキーがないと不安だという人は選択すべきオプションだろう。もちろん、標準キーボードと同様、本体と同色のカラーリングが施されたキーボードとなる。

 タイトルの「異次元デスクトップコンピューター」という表現は、少し大げさなものに感じられるかもしれない。しかし、これまでに体験したことのないような内蔵スピーカーの音質、ほとんど2次元の平板を組み合わせたようなシンプルデザイン、それでいて微妙にトーンを変化させた表情の豊かなカラーリング、レスケーブル化のさらなる追求など、「異次元」を感じさせる部分は多い。

 今回は、あくまでもファーストインプレッションということで、本当に強い印象を受けた部分にだけ、泣く泣く話を絞った。まだ言い足りないことは山ほど残っている。すでに、基本的なベンチマークテストなども実施しているが、概してこれまでのM1チップ搭載のMacと、ほとんど同じ性能レンジに入る結果を示している。そのあたりも含めて、詳しいことは改めてレビュー記事としてお届けする予定だ。

   
【レビュー】M1搭載iMacは異次元のデスクトップコンピューターだ!


(出典 news.nicovideo.jp)

【レビュー】M1搭載iMacは異次元のデスクトップコンピューターだ!

これやばいですね!!

欲しいなー笑笑


トゥルースリーパー セブンスピロー

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